人が使うから意味が出る

ものと人との物語
hibi 2026.03.16
誰でも

大切なあなたへ

お元気でしたか?周りのことが矢継ぎ早に変化していて、先週はお手紙が書けませんでした。そして今日は、その間2週間くらいの話です。

先日、大事な茶壺を自分の元へ招き入れました。

初めてその茶壺に会った時、その茶壺は自分の全ての問題を解決してくれるような、そんな印象を持ちました。「300年〜500年くらい前のシングルマザーの作家さんが作った素晴らしい茶壺」だと聞いていて、さらに実際に味を味わった時、どんなお茶も美味しく淹れられてしまうその懐の深さに惚れ込んだのです。同時に、これを扱える自分になれるのか…と不安にも思っていました。

ですが、その茶壺を手に入れた時、先生は作家さんを間違って伝えていたということを知りました。実際には、1990年代に作られた、現代も生きている男性作家さんのものということ。ちょっとびっくりしたものの、実際に家に連れて帰ると、不思議と別の意味の役割を持ち始めました。

会社の人の健康状態が良くないと聞き、その茶壺でお茶を淹れて振る舞うことが多くなりました。花粉症の人にも、お茶が大好きという人にも色々と淹れて持って行くようになりましたし、その人たちの喜ぶ顔を見るのが楽しくなりました。

そうか、私は勝手に茶壺に助けてもらうことばかり想像していたけど、実際には、私がこの茶壺を通じて人と繋がり、自分と人を満たして行くことをし始めたのだと実感しました。

ものとの付き合いというのは面白く、作った人の背景や意図もあるけれど、使う人がそのものを通じて起こすことも、また新たな創作であり共同作業であるのだと感じました。

美術品として何も触らないような使い方ではなく、作った人とのコミュニケーションとして、大事に扱い意味を持たせることで、新しい物語が生まれていく瞬間を目の当たりにしました。

私においては、その茶壺を骨董として愛でるのではなく、生きたものとして扱っていけるようにしたいなと思います。そして、それを通じて、人と多くの愛を交わせるようになりたいです。

また、お手紙を書きます。

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