元夫から学んだこと
大切なあなたへ。
こんばんは、今日もお手紙を書きます。
私は29歳の時に、会社の先輩と結婚をして3年後に離婚をしました。
結婚生活はなかなかにうまくいかなかったけれど、元夫が憎いというわけではなくて、むしろ今考えると元夫からは学んだことがたくさんあったと思います。
彼は本当に素直で、思ったことしかできない人。だから社会生活は大分大変でした。
野球少年だった頃の夢を、肩の故障で諦めざるを得なくて、高校を中退して不良化、さらに大工の仕事をするもうまくいかずに渡米。渡米先でもなかなかうまくいかず大学も中退。なんとか社会人として働き先を得て、当時私もいた会社に入社することになるわけですが、会社でもやりたくない仕事は本当にできなくて、締め切りギリギリにやっと手をつける始末。
でも、心根はとても優しい人で、困った人を放って置けないし、人を悪く言うことも嫌っていました。自分が社会に適合しにくいタイプだからこそ、できない人をけなしたりは決してしなかった。大好きな愛犬が亡くなった時も、ずっと側で泣いて無力だった自分のことを悔やんでいました。
そして30代も後半になった時、もう一度好きだったスポーツを始めて社会人リーグを目指し始めます。会社という枠が似合わなかったことに気づいて、自分で会社を作り、今では地元にも貢献していると聞いています。
ここまで、いい部分だけをみたら「なんで離婚したの?」って話になるんですけど、夫婦や家族っていうは本当に複雑で、お金や性の問題、過去のトラウマなど多岐にわたる問題が絡み合って、時間が解決するどころの話ではない状態で離婚しました。まあ、その話はまた今度に(笑)。
彼から教えてもらった一番のすごいことは、心の強さは「失敗しない」という気概でも事実でもないということです。むしろ何度も何度も失敗している彼だからこそ、人の痛みがわかる、自分の至らなさがわかる、だから次こそは諦めないと立ち上がり続けたことです。
多くの人が楽な方へと逃げ腰になってしまう、もしくはライフハックなんて言ってうまく立ち回るような人が大勢いる世の中で、彼はずっと「どうして俺はこんなんなんだ…」って頭を抱えながらも、「でももう周りは気にしないことにした。それには意味がないから」と前を向き続けていました。
社会という周りの枠組みからどうしてもズレてしまう彼にとって、社会に適合するということは足枷でしかなかった。だからもう、自分しか見ないことにした。すると不思議と、スルスルと物事が動いていくことに気づいたんですね。
そのあたりから、彼の心は一段と強くなっていったんだと思います。
残念ながら、私は彼の心がぐちゃぐちゃになった時を一緒に過ごしていたから、しっかり強く立ち上がっているところをもう見れていないんだけれど。でもきっと、私との離婚も強さのバネにしてくれていると思います。
失敗するとかしないというのは、社会の基準に自分を合わせて行っていると言っているようなもので、自分だけを見ていて気づくことがたくさんあるんだと思います。嫌われるからとか、変だと思われるからという意識をなくすのは難しいけれど、なるべく周りを見ないで自分を嫌になるほど見つめてみるというのもきっと気づきがあるはず。
少し長くなりすぎました。
雨が降っていますから、体調にはお気をつけて。おやすみなさい。
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