女にとっての仕事とは何だろう

女性性と男性性との統合
日日hibi 2024.04.27
誰でも

大切なあなたへ

ご無沙汰しています。お元気にしていますか?

ゴールデンウィークがいよいよ始まりますが、どんなふうに過ごされますか?私は今年は仕事をしようと決め、実家に帰るのもやめました。

もちろん、仕事といっても会社員としての仕事ではなくて、この夏からフリーランスとして活動をするための準備や構想を練ったり計画を立てるということです。

そういえば、私には昔から「働かずに専業主婦になる」という選択肢は一ミリもありませんでした。それはおそらく、前回書いた専業主婦である母親のネガティブなイメージが私の中に強かったからだと思いますが、同時に私の世代くらいから「女性が専業主婦という選択をとる」ということがどちらかというとマイナーで、共働きが当たり前になったという時代背景もあるかもしれません。

30代になった頃くらいから、子育てで休職したり、自宅でできる仕事にシフトしたりと、まわりの女性の働き方が変わってきているのを感じています。

私の周りの女性は、自分が働かず旦那さんの給与で生活できても、やはり自分で働きたいと言う方がとても多いです。自分ももし同じ環境にあったら、同じように働きたいと感じるんだろうなと思うのですが、なぜそう思うのか、深く考えたことがありませんでした。

深く深く自分の過去を掘り下げると、驚いたことに父親のある言葉に辿り着きました。

「〇〇ちゃん(=私の名前)が男の子だったらよかったのにな。」という小〜中学生くらいに聞いた一言です。

流産を2回し、4つ上の姉が生まれ、兄弟が欲しくてもう一人生んだけれど死産してしまい、私が生まれたという経歴を持つ夫婦であった父と母。二人とも福島の田舎で育ち、長男長女として家父長制の強い時代を生きたから、兄弟姉妹が多い方がいいし、家を支えてくれる男性がいた方がいいという家族感は当たり前のようにあったのだと思います。

ポロッと出た父親の言葉が忘れられなくて、私は球技なんて全然得意じゃないのに中学校はソフトボールをやったし、二人でキャッチボールをした時は嬉しかった。そして、お付き合いする人は、父親のような男性を好きになったり理想に思い描くことが多かったように思います。

私が社会で働き続けたいというのは、もしかしたら私の中の男性性を埋めようとしていたのではないかと思います。無意識で、父親に認められるような男の子のような自分でいようと、もしくはそんな男性と付き合える自分でいようとしたのではないかと思うのです。

「お父さん見ていて、私はこんなにあなたに認められる人間です!」ということを証明しようとしていたのかもしれません。

ですが昇進したり、多くのことがこなせる自分になればなるほど、私の体は不思議と蝕まれるようになります。

今思えば、本当に必要だったのは、社会的に勝利して男性性を保つことではなく「受け入れること」でした。男性ではない自分でもいいということ、完璧ではない自分ということ、見て見ぬ振りをして自分の痛みを感じないようにしてきたこと。感じるままそのままで完全体であるということを認められず、結果としての完璧を求めてしまっていた自分。

そのことに気づいてから、仕事の見え方が変わりました。どこまで行っても男性ばかりで構成される役員や部長たち。女性を入れた方がいいという流れで利用される「女性」というレッテル。完璧を目指して頑張っても、評価もされず「⚪︎⚪︎さんのおかげで助かってます。男性にはない感情豊かな表現力で」などと女性性を当て込めて表面上の評価をされていること。そしてそのことに気づいていながらも、いつか自分の努力は報われると無力で終わりのない戦いをしていた自分。

そこから抜け出し、今の自分のままでいようとした途端、ある日夢の内容が変わりました。

夢の中で、私は自然と好きな男性ができ、性愛でもなく、アイドルや俳優のような男らしさといった形の整った関係でもなく、お互いが人間として自然に好きになるという夢を見たのです。それは、今までの私の夢とは大きく異なりました。「女性」として求められ好かれるような恋愛の夢を見ることの方が圧倒的に多かったため、不思議な体験でした。

おそらく、私のなかの女性性と男性性が統合しかけたのかもしれない、と思います。

今の時代、女にとっての仕事とは、男性性を満たすことでもなく、女性性を優位にして身を捧げることでもないのだと思います。自分の闇を知り、本来の価値を知る、そしてそれが自分の人格形成を促す。そんなことが今、女にとっての「仕事」となりつつあるのかと思いました。

今日は本当に本当に長くなってしまいました。そして入り組んだ難しいテーマを書いてみました。次回はもう少しお気軽に読めるものにしようと思います。

素敵なゴールデンウィークをお過ごしください。ではまた。

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