余白は線を生み出す
大切なあなたへ
家族がいても、パートナーがいても、自分の心がひとりぼっちで、何か満たされない。そんな人はいるでしょうか。
私には今、家族もパートナーも遠く離れた存在なので、そういった人が傍にいるのはとても羨ましいことなのですが、それでも昔のことを思い出すと、確かにそんな時がありました。
近くに家族やパートナーがいても、どこか自分の気持ちが満たされず、孤独を感じる時。
「自分はこんなに恵まれているのに、何を思っているんだろうか?」「こんなことを思っちゃいけないんじゃないか」そんな風に自分を一生懸命に否定していたこともありました。
でも考えてみれば、それも大事な自分の一部でした。
私の茶道の道の中では「余白」というのがとても大事で、それは書道の道でも言えることだと思うのですが、白紙の半紙の上だからこそ線が生まれていく。一滴の墨汁が半紙に落ちるだけで、それは線になり面になっていく。
もし自分が真っ黒な紙の上で居場所がわからなくなっていたら、まずは白紙になることがとても大事です。他の人の価値観や考え方、物質的な豊かさに自分の心を埋め尽くされて、自分を見失うと心は孤独を感じます。自分の心を無視していることになるから。
富める者が人生の成功者のように、何かできることが人生の充実のように、付け足すことばかりが賞賛されるような世の中に見えますが、心の充実においては「軽くて何もない」ということが一番負担がなく、自分らしさを感じれるのではないかと思います。
人生を無理矢理自分の力でコントロールするのではなくて、自分の心のままに、ありのままに生きていくということが、一番心は嬉しがることなのだと思います。そのためには、心の余白が大切です。
物質的にも、見た目にも満たされているはずなのに、どこか心が満たされぬ孤独を感じたら、まずは白紙になってみて、自分の中に余白を作ってみませんか?
余白ができたら、シンプルな自分の気持ちに気づきやすくなってきて、素直な気持ちが入ってきやすくなります。それはかけがえのない自分だけの線、自分の輪郭に違いない。
年末のこの時期だからこそ、物質的な断捨離だけではなく、心の中の余白もあけてみたいなと思います。素敵なクリスマス、年末をお過ごしください。
またお手紙書きますね。(※来週はお休みします)
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